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Arm版 Windows 11を搭載したPC(Snapdragon XシリーズなどのAI PC)が続々と登場しています。バッテリー持ちの良さや静音性、軽快な動作に魅力を感じて乗り換えを検討している方も多いのではないでしょうか。
また、AppleシリコンMacに仮想ソフト経由でインストールできるWindowsもArm版のみとなっており、Macユーザーにとっても無関係な話ではありません。
気になるのは「自分が使っているソフトはArm版でも動くのか」という点です。たとえば、
これらが実際に動作するかどうかは、購入・移行を判断するうえで大きな材料になります。
結論として、Microsoft 365やZoomなど日常用途はArm対応が進んでいます。一方で、専用ドライバが必要な周辺機器・法人向け銀行サービス・アンチチートを使うゲームは個別確認が必要です。Snapdragon搭載PCを買う前に、仕事やゲームで必須のソフトを先に確認しておくのが安全です。
ネトセツ本記事では、2026年8月30日時点で各メーカー・サービスの公式情報を再確認し、「Arm版 Windows 11で使えない・制限があるソフト」をジャンルごとに整理しています。Snapdragon搭載PCやAppleシリコンMacへの移行前チェックとして参考にしてください。

Arm版 Windows 11はx86系(Intel/AMD)とはCPUアーキテクチャが異なります。そのためアプリは大きく2つに分かれます。
Prismとは、x86/x64向けに作られたアプリをArm上でリアルタイム変換して動かすWindowsの仕組みです。Office・ブラウザ・一般的なデスクトップアプリの多くはこの経路で動作します。2025年10月の更新(KB5066835)ではPrismがAVX/AVX2命令に対応し、これまで起動しなかったアプリやゲームが動くケースが増えています。
一方で、システムの深い部分に直接アクセスするソフトはPrismで変換できないため動作しません。ICカードリーダーやプリンターのドライバ、カーネルレベルで動くセキュリティソフトなどがこれにあたります。
ブラウザ主体のアプリやExcel・WordといったOffice系の用途であれば、Arm版でも問題なく使えます。
一方、ドライバ連携が必要な業務ソフトや対戦系ゲームを使う予定がある場合は、後続の各H2で具体的な対応状況を確認してください。

Arm版 Windows 11でゲームが動くかどうかは、「どのゲームか」「アンチチートが何か」によって大きく結論が変わります。
Windows on Armのゲーム対応は現在も変化が続いています。特に2025年後半以降はEasy Anti-CheatのArm対応が進み、Fortniteのように正式対応したタイトルも出てきました。

かつてFortniteがArm版 Windowsで起動できなかった最大の理由は、アンチチートソフト「Easy Anti-Cheat(EAC)」がArmアーキテクチャに未対応だったことです。
Epic Gamesは2025年8月にEasy Anti-CheatのWindows on Snapdragon対応を案内し、同年11月3日にはFortniteがSnapdragon搭載Windowsデバイスへ対応したと公式に更新しています。さらに2026年5月には、Epic Online ServicesのArm版Windows対応範囲も拡大されています。
Epic Gamesは現在、Snapdragonプロセッサを搭載したARM版Windows 11 PCでFortniteをプレイできると公式に案内しています。Windows on Arm対応はEasy Anti-Cheatを含むEpic Online Servicesにも拡大されており、対応SDKを実装したゲームではArm対応を進められる環境が整っています。
Fortniteを主目的にPCを選ぶ場合は、Arm対応の有無だけでなく、GPU性能やゲーム側の推奨動作環境も確認してください。高画質・高フレームレートを重視するなら、ゲーム公式が案内する推奨構成を満たすPCを選ぶのが確実です。
※参照:Epic Games|フォートナイトはARM版Windows 11のPCでもプレイ可能ですか?
2026年8月25日、NVIDIAはArmアーキテクチャを採用するWindows PC向けプラットフォーム「RTX Spark」で、Apex Legendsを動作させる予定であることを公式に発表しました。
NVIDIAはEAと協力し、EAのアンチチート「EA Javelin Anticheat」をRTX Sparkへネイティブ対応させています。NVIDIA公式では、Apex Legendsを含むEAの主要マルチプレイヤーゲームが、RTX Spark発売予定の2026年秋から同プラットフォームで動作すると案内されています。
これまでArm版Windowsではアンチチートがゲーム互換性の大きな壁でしたが、Apex LegendsでもArm環境への対応が具体化しました。ただし、現時点で公式に確認できるのはRTX Sparkへの対応です。Snapdragon Xシリーズを含むすべてのArm版Windows PCでApex Legendsが正式対応したという発表ではありません。
※参照:NVIDIA|Gamescom 2026 のGeForce発表

Arm版 Windows 11では、MicrosoftのPrismエミュレーションによりx86/x64アプリを実行できます。ただしSteamで配信されているゲームはタイトルごとに必要なドライバやアンチチートが異なるため、「Steamのゲームなら動く」と一括りにはできません。
また2025年10月のWindows更新(KB5066835)でPrismがAVX/AVX2命令に対応したことで、これまで起動すらしなかったゲームが動作するケースが増えています。
一方でオンラインゲームはアンチチートによって状況が異なります。
| アンチチート | Arm対応状況 |
|---|---|
| Easy Anti-Cheat(EAC) | タイトルごとに対応が進行中(Fortniteは済) |
| Valve Anti-Cheat(VAC) | ゲーム公式の動作環境をタイトルごとに確認 |
| BattlEye(PUBG等) | ゲーム公式の動作環境をタイトルごとに確認 |
| Riot Vanguard(Valorant等) | ゲーム公式の動作環境をタイトルごとに確認 |
オフラインゲームや軽量なインディーゲームを楽しむ分には実用的ですが、対戦系・オンライン系のゲームを目当てにArm PCを選ぶのはリスクがあります。
ネトセツプレイしたいタイトルが決まっている場合は、ゲーム公式の必要・推奨動作環境やサポート情報でArm版Windowsへの対応状況を事前に確認してください。

弥生株式会社はArm版 Windows 11でのデスクトップアプリ動作状況を公式に公開・更新しています。記事執筆時点(2025年8月)から状況が大きく改善されており、最新の弥生26シリーズでは多くの製品が「問題なく動作する」扱いになっています。
※参照:https://www.yayoi-kk.co.jp/products/spec/dt_os_support_win11_arm/
2025年12月5日時点の公式情報をもとにした動作状況は以下のとおりです。
| 製品名 | 動作状況 |
|---|---|
| 弥生会計 26 | 問題なく動作する(※1) |
| やよいの青色申告 26 | すべての機能が問題なく動作する |
| 弥生給与 26 | すべての機能が問題なく動作する |
| やよいの給与計算 26 | すべての機能が問題なく動作する |
| 弥生販売 26 | 大きな機能制限がある(※1) |
| やよいの見積・納品・請求書 26 | すべての機能が問題なく動作する |
※1 SQL Server制限について
弥生会計(AE・ネットワーク・プロフェッショナル2ユーザー)と弥生販売は、SQL Serverを利用する構成で制限があります。弥生公式では、Arm版Windows 11におけるSQL Serverの運用は動作保証の対象外と案内しています。
個人事業主や小規模法人が使う「弥生会計 スタンダード/プロフェッショナル(1ユーザー)」や「やよいの青色申告」はSQL Serverを使わないため、この制限は関係ありません。
弥生25シリーズは26シリーズより制限が多く残っています。特にやよいの青色申告 25では、所得税確定申告モジュールの一部がArm版 Windows 11で正しく動作しない不具合が確認されています。
確定申告を弥生25で行う予定の方は、26シリーズへのアップデートまたはクラウド版への移行を検討してください。
最新の弥生26シリーズを使っているなら、一般的な会計・給与・請求書の用途ではArm版でも問題なく動作します。ただし、以下に当てはまる場合は注意が必要です。
弥生オンライン・freee・マネーフォワードなどのクラウド型会計ソフトはブラウザで動作するため、Arm版かどうかに関わらず利用できます。どうしても不安な場合はクラウド版への移行を検討するのも一つの選択肢です。

銀行業務で利用される「BizSTATION」などの専用アプリは、電子証明書やICカードリーダー用ドライバに依存しています。
BizSTATIONは公式の動作環境に沿った利用が前提で、電子証明書の取得・更新では専用ツールが必要になる場合があります。Arm版Windowsについては、三菱UFJ銀行の現行案内で明確な対応保証を確認できないため、通常のWindows 11と同じように使えると判断しない方が安全です。
特に電子証明を使うBizSTATIONでは注意が必要です。
三菱UFJ銀行の現行案内では、Windows 11と対応ブラウザ、電子証明書取得用ツールなどの利用条件が示されています。一方で、Arm版Windowsを明示した動作保証は確認できないため、法人取引で必須なら導入前に銀行側へ確認するのが確実です。
| 認証方式 | Arm版での動作可否 | 主な問題点 |
|---|---|---|
| 電子証明書ファイル方式(ソフト主体) | 公式対応を要確認 | 電子証明書の取得・更新で専用ツールが必要になる場合があるため |
| ICカード方式 | 周辺機器ごとに要確認 | カードリーダーや関連ドライバのArm対応状況に左右されるため |
法人向けネットバンキングは、銀行ごとに対応OS・ブラウザ・電子証明書・周辺機器の条件が異なります。Arm版Windowsを業務PCとして導入する場合は、利用している銀行サービスの公式動作環境を個別に確認してください。

Arm版にこだわらないなら、中古のIntel版Windows PCも選択肢です。これからArm PCを検討している方はもちろん、すでにArm PCを購入済みでも、銀行・会計ソフト・周辺機器・一部ゲーム用のサブ機として追加する使い方があります。
ネトセツ筆者は中古のレッツノートSV9を約3万円で購入して使っています。レッツノートは堅牢性を重視したモバイルPCで、数年落ちの中古ならWindows 11対応機を比較的安く選べます。Arm互換性を気にせず使えるWindows機を1台確保しておきたい方は、こちらも検討してみてください。
Arm版 Windows 11は、日常的な作業――メールやOffice、Webブラウジング、オンライン会議――であれば快適に使える環境が整っています。
一方で、銀行系の法人向けサービスや特定の会計ソフト、そしてアンチチートが必須のオンラインゲームといった「専門性が高いソフト」では、いまだに動作制限や非対応が目立ちます。
では、どうすればよいのでしょうか。
ネトセツ本格的な業務ソフトやゲームを主目的にしないのであれば、Arm版Windowsは日常用途で使いやすく、Armアーキテクチャの省電力性を活かした長いバッテリー駆動も期待できます。ただし、購入前に自分が必須とするアプリや周辺機器の対応確認は必要です。
M1〜M5を含むAppleシリコンMacでもArm版 Windowsを利用できます

はい、Microsoft OfficeやTeams、Zoomなどの主要なビジネスソフトはすでにArmネイティブ対応または安定動作が確認されています。日常業務レベルでは大きな問題はありません。
電子証明書やICカード認証を使う法人向けサービスは、専用ツールや周辺機器の対応状況に左右されます。Arm版Windowsの動作保証が公式に確認できない場合は、銀行へ確認するか、Intel/AMD搭載PCを残しておく方が安全です。
最新の弥生26シリーズであれば、弥生会計・やよいの青色申告・弥生給与などの主要製品はArm版 Windows 11で問題なく動作します。ただし複数台共有で使うSQL Server構成の上位グレードや弥生販売には制限が残っています。詳細は弥生公式の対応状況ページをご確認ください。
Fortniteは2025年11月のv38.00アップデートでArm対応EACが実装され、Snapdragon X搭載のArm PCで正式に動作するようになりました。
Apex Legendsも2026年8月にNVIDIAがArmベースのRTX Sparkでの対応予定を発表し、EA Javelin Anticheatのネイティブ対応が進んでいます。ただし、現時点で確認できるのはRTX Sparkへの対応であり、Snapdragon Xを含むすべてのArm版Windows PCへの正式対応ではありません。Steam配信ゲームもタイトルごとに公式情報を確認してください。
プリンタやカードリーダーなどの周辺機器は、メーカーがArm用ドライバを提供していない場合があります。購入前に「Arm対応ドライバが公式提供されているか」を必ず確認してください。
Arm版 Windows 11にはx86エミュレーション(Prism)が搭載されており、多くのアプリは動作します。2025年10月の更新でAVX/AVX2命令にも対応し、動作するアプリの範囲が広がっています。ただし「動作はするが不安定/パフォーマンスが低下する」ケースや、ドライバ依存型アプリは動作しません。
Arm版では仮想化ソフトにも制約があります。VirtualBoxはArmホストに対応していますが、Armホスト上ではArm系ゲストOSが前提となり、x86系ゲストOSはサポートされません。仮想化ソフトごとにArmホスト/ゲストの対応範囲が異なるため、導入前に各社の公式要件を確認してください。
なお、MacユーザーがParallels Desktop経由でArm版 Windows 11を使う構成はMicrosoftが公式に認めています。この環境ではArm64ネイティブのWindowsアプリとx86/x64アプリのエミュレーションが動作可能で、MacでどうしてもWindowsを使いたい場合の現実的な選択肢になっています。

大手ベンダー(マカフィー、ノートン、カスペルスキーなど)の一部製品はArm対応が進んでいます。ただし製品によっては「インストール不可」「機能制限あり」の場合もあるため、事前に公式対応状況を確認しましょう。
事務作業やクラウド中心の業務なら問題ありませんが、電子証明を利用する銀行アプリや業務用ソフトが必須の場合は導入を慎重に検討してください。現状では「サブマシン」または「特定用途向け」としての利用がおすすめです。
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